「暇な人募集」
この言葉から四国ランは始まった。
メンバー:佐川(プランナー)、堀江、酒井、安田、小林(洋)
3月1日 晴れときどき雪
この日は松本駅から尾道駅まで輪行した。6:26松本発の電車に乗り、途中人身事故などで電車の出発時刻が遅れたため、予定より1時間遅れの20時に尾道駅に到着した。
尾道駅に着いたらぜひ尾道ラーメンを食べてほしい。尾道駅周辺にラーメン屋は多くあり、その中で私たちは「たに」という店で尾道ラーメンを食べた。濃い醤油ラーメンの味は私たちの電車での疲れを癒してくれた。
夕食後はお風呂に入りたかったため、「ぽっぽの湯」という場所に向かった。行くまでに道がせまく、標高差もあったため苦労した。「ぽっぽの湯」は800円と料金が高めだが23時までの営業であるのと、「尾道西公園」が近くにあったのが理由で利用した。「尾道西公園」は東屋が複数あり、周りも静かなため野宿には絶好の場所であった。ただ問題なのがその日の夜は気温が0℃までいってしまい寝れる状況ではなかった。足先から冷たくなるため、「尾道西公園」で寝る際にはカイロを持っていくことをおすすめする。
3月2日 晴れ
この日はしまなみ海道を走った。サイクリストならば一度は走ってみたい道の一つである。
島から島へと渡り、走るのは楽しいものである。ただ注意なのが海風により足への負荷がかかるのと、島に渡る橋があるのだが、橋にたどり着くにはわずかな登りがあるという点である。サイクリストの気遣いのためか道中にミカンがたくさん入った段ボールがあり、そこから好きなだけ取って食べた。大三島という島があるのだがそこには「サイクリストの聖地」というモニュメントがあり、絶好の撮影スポットであった。あらかじめ知っておかないと通り過ぎてしまう場所にあるためしまなみ海道を通った時にはぜひ寄ってほしい。
休憩などを挟んで7時間ほどかけてしまなみ海道を渡ると、今治市に到着した。今治タオル本店で買い物をした後、「白楽天」という店で今治のB級グルメである「焼豚卵飯」を食べた。タレがかかった豚丼の上に半熟の目玉焼きがのった誰でも作れそうな品だが70㎞海風のなか走った我々にはこの上ないご馳走で満足な一品であった。疲れのせいか店員の可愛さに興奮した安田はかなり気持ちが悪かった。
10㎞ほど走り今晩の寝床である道の駅「今治湯ノ浦温泉」に到着し、一日の疲れを癒すために温泉に入った。23時まで営業していたためゆっくり入ることができた。寝床は温泉近くに公園があったため、公園内の東屋で一泊した。
3月3日 晴れ
この日は瀬戸内海沿いを走った。本日は景色を楽しみつつおいしいものを食べる目的で走った。朝ごはんを道の駅「今治湯ノ浦温泉」から少し離れたコンビニで済ませ、15㎞ほど離れた昼食の目的地である伊予西条の「マルトモ水産魚市場」までゆるポタ。ここはマップルにも載っていたため訪れてみたが期待以上だった。安い値段で食べれるネタが大きな海鮮丼やタイの煮つけが格別な日替わり定食はとても美味であった。この経験からマップルに載っている店は安心して訪れることが感じられた。鯛飯や魚が安い値段で売られているためここで夕飯を調達するのもいいと思われる。
この時点で今日の寝床まで30㎞という残りわずかの距離だったが、メンバーの佐川が普段から自動車のペダルしか踏んでいないため、わずかな登りですら速度が落ち、大幅にペースが落ちた。そのため本日の寝床の観音寺市の有明浜には日没直前の到着となった。この浜は特に目立つものはないが、晴天だったのと相俟って夕日がきれいであった。人も少なかっため絶景の撮影スポットである。メンバーの堀江も最初は「写真を撮る趣味はない」と言っていたが、いざこの場所についてみると激写である。それほどの価値があると私も思う。
有明浜の近くには広い東屋もあり野宿するにはもってこいの場所である。近くには温泉もあるため海岸で遊んだ汚れも落とせたため、寝床にするには問題ない場所である。この日の夕食は近くにあるスーパーでラーメンなどを購入し、それを食した。夕食後みんなでプロテインを飲んだ。なぜ?と思ったが、プロテインには疲労回復につながるとメンバーの堀江、酒井、小林が豪語していたためのっかかってみた。意外に楽しかったのでよかった。
明日は本格的に香川県に入る、 つまりそういうことである。
3月4日 曇り
この日は高松市を目指して走った。香川県に入ったらやることは一つ、うどんジャン巡りである。朝ごはんは「長田in香の香」といううどん屋に入った。金蔵寺駅の近くにあるお店で釜揚げうどんが売りの店である。魚介類のだしがきいてとても美味。ジャンは堀江が負けた。ジャンの前に郵便局が近くにありそれを見た堀江が「郵便局があれば無敵」と言った。誰もがフラグだなと感じた。不用意な発言はひかえた方がいい。
お腹をすかすために製麺工場丸亀城を訪れた。うどん屋から5㎞ほど離れたところにあり石垣が立派であった。また町を一望できる展望台もあったが残念ながら天気が曇りであったため、遠くまでは見通すことができなかった
お腹も減ったところで次は「がもう」といううどん屋を訪れた。大通りとははずれ、細い道も含まれるため、迷いながら見つけた場所である。店は小さいが行列ができていて期待が高まった。行列に並んでいる間は暇だったため辺りを見渡すと「アイス」の文字が見え、私はいやな予感がした。メンバーの小林が「あ、ジャンがある」と一言、アイスはあるけどジャンはないんだよな。目的と手段が混同した瞬間であった。そうこうしているうちに行列はなくなりついに順番が回ってきた。うどんは文句なしで美味しかったが驚いたのは油揚げである。今まで食べたなかで一番美味であった。
1㎞ほど離れた位置に「山下うどん」といううどん屋があり、入ってみるとまず目につくのがでっかい窯である。とても迫力があって訪れたかいはあったと感じた。かき揚げなどのサイドメニューが豊富でついついたくさんとってしまった。
腹ごしらえも終わりいよいよ高松市に向けて走った。平坦な道であったため特に問題なく進み14時過ぎに高松市に到着した。最後のうどんと県庁近くにある「さか枝」といううどん屋に直行した。香川県のうどん屋は基本的に15時に終わる店が多い。なんとか間に合い、うどんを食べることができた。今日のうどん巡りはこの店で終了予定だったためうどんの味をかみしめた。流石に疲労が蓄積したため、高松市にある栗林公園近くのスーパーにより、服を洗濯に出してから、近くの喫茶店であんみつやパフェを食べながら休憩をとった。この日を境に四国ランは自由行動となり、後日徳島駅で合流となる。
後編へ続く…
(文:佐川,写真:小林(洋))