これは、無謀にも信州の闇遠山郷に自転車で挑んだ男たちの物語である。
10月16・17・18日 秘境 遠山郷下栗の里 別名「日本のチロル」に行ってきました。
12夏目
13水沢(プランナー) 廣田 菊池 八島
14安田
15南里 佐藤 高松
16日(金曜)
授業が終わり次第各々伊那キャンパスへ自走
途中大芝温泉に立ち寄ると、「大芝高原イルミネーションフェスティバル」なるものが催されたいた。
多くの家族連れ・カップルでにぎわっていたがかまわず突撃。
案の定、淡いイルミネーションの光が僕と廣田の心に鋭く突き刺さった。男二人で行くもんじゃない。イルミネーションはとてもきれいでした。
他の参加者は「しなのじ」で偏歓メニューを食した後、キャンパスへ
すぐそこにBOXがあるにもかかわらず、使えないことに憤りを感じながらも24時ころに就寝。
17日
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=620483ea8071b14035e89dbb3ed120df
伊那キャンパス⇒しらびそ高原キャンプ場
さわやかな朝を迎える
これから地蔵峠・しらびそ峠を要する酷道152号に突撃するなんて誰も夢にも思っていないよう、のんびり準備して9時ころ出発
まだ元気
天竜川沿い、県道18号を走り中川村のチャオ生鮮食品館で晩飯・翌日の朝飯・補給食の買い出し。なぜか牛肉が半額でたたき売りされていたので、晩飯は「すき焼き」に決定!昼飯を食べた後、荷物満載になった自転車にまたがりいざ大鹿村へ!!!
県道59号は、きつい坂もなく交通量もまばらで景色を楽しみながら、快調に大鹿村へと向かう。
大鹿村の中心部に着き、ジャンして休憩してたらいつの間にか3時頃に
水「残り28キロ 1300mの登りっす」
夏「あ・・・・ 死」
水「あ・・これ日暮れまでに間に合わないっすね??」
夏「いや、時速10キロ弱でぺっぺって走ればいけるっしょ よゆーーー」
なんて会話をしていたら、雨雲っぽいのが近づいてきたので、いよいよしらびそ高原へ向けて一行は走り出す
徐々に木々の色づきが濃くなってゆくのを感じながら、なだらかに登る。
酷道152号と評されているだけあって、路面はそこまで悪くはなかったが、道が狭く、車とすれ違うのにも苦労する箇所があった。
数キロ走るといよいよ民家がなくなり、僕たちは南信州の深い深いの山の中に。見渡す限り山&山。
そして152号がいよいよ本気を出してきた。
まず地蔵峠に向けての九十九折。一気に斜度がきつくなり、中指を立てながら登った。
なんとか5時前に地蔵峠を制覇するも、さらに怪しげな雲が忍び寄ってきたのでしらびそ高原へ急ぐ。
水沢班・廣田班で分かれて登っていたが、この時点で廣田班との連絡が途絶える。
「どうか生きて追いついてくれ」 切にそう思った。
「しらびそ峠に向けて登るぞ・・・・????あれ下ってね??は・・??」
登り始める前に長い下りがあり、しらびそ峠への九十九折に入ったころには残り7キロ、標高500mほどを残し、無情にも太陽は西の空へと沈んでいった。
フリーにして登る予定だったが、漆黒の闇の中を一人で走るにはあまりにも心細かったため護送船団方式でラストの登りへ。
か弱いライトの光と月明りだけを頼りに。うっすらと闇夜に浮かぶ山々の稜線がまことに不気味。
卑猥な言葉しりとりで気を紛らわせながら登ったが、ぽつぽつ雨も降り始め、自分たちがどの辺を走っているのかもわからず、みんなのメンタルが崩壊しそうになったその時・・・・向こう側に文明の光が。
「すき焼き!お風呂!!すき焼き!!お風呂!」と叫びながら最後の力を振り絞った。
ホテルまでの最後の登りがかなりきつかったが、なんとか1830頃到着。
廣田班も30分ほど遅れて到着。安田君の目には涙が。
いざお風呂へ
が・・・ホテルに入った僕らはあまりにも厳しい現実を突きつけられる。
宿泊客以外は夜(17時以降?)は入れないとのこと。「そこをなんとか」と頼んでみるものの願いかなわず。
朝また出直せとのこと
ショックを隠し切れなかったが、決まりなら仕方がない。
ガスってて星空も全く見えず、参加者全員「何のためにこんなところまで来たの?!?!」って感じだった。
ただ、標高2000mで食べたすき焼きは最高だった。疲れ切った体には十分すぎるくらいのすき焼きをほおばり、空が晴れることを祈り就寝。
3時ころ恐る恐るテントから外をのぞくと・・
さっきまでの天気が嘘のよう、それはそれは言葉では言い表せない様な星空が。雲一つない星空にはいくつもの流れ星が。
カメラに興ずるもの、シュラポンで星空を眺める者
それぞれ、俗世から遠く離れた秘境の満天の星空を楽しめたようだ。
18日
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/create?id=5bc2f39c2bbee92726d82e85b17a8947
キャンプ場⇒下栗の里⇒為栗駅⇒松本
晴天。6時前に起きてしらびそ峠にて日の出を拝んだ後、朝風呂を決める。
雄大な南アルプスを眺めながら朝ごはんを食べた後、いよいよ「日本のチロル」へ。
しらびそ高原の紅葉がまさに見頃を迎えていおり、思う存分紅葉を楽しみながらひたすら下った。だが、チャリダ―殺しの九十九折があり、消しゴムブレーキ装備の僕と安田君は危うく南アルプスの深い谷底にダイブしそうになった。
お昼前に、「日本のチロル」を拝める展望台に到着。
急斜面にへばりつくように存在している下栗の里は、「天空の里」と呼ぶに相応しい所であった。
日本にもまだこんなところがあったのか。
景色を楽しんだ後里に下り、下栗の里唯一の飲食店?「ばんば亭」にてお昼を食べ、里を貫く九十九折の急斜面を体感しながら里を離れた。
下って下って下って152号に戻り、旧木沢小学校に立ち寄る。
木造の非常に趣のある校舎で、僕は燃えてなくなってしまった、わが母校を思い出してしまい涙をこらえられなかった。
見学を楽しんだ後、道の駅遠山郷で休憩&ジャンをして菊池の負けが通算8000円超え(合掌)移動式全自動財布お疲れさまでした。
天竜峡を走り為栗駅から松本駅に輪行して解散。
南信州のふかーいふかーい山奥には、我々の想像を絶する上り坂と言葉にできないほどの絶景がありました。
参加者のみなさんお疲れさまでした。ありがとうございました。m(- -)m
次はどこの秘境へ・・・・・
以下参加者感想・ベストショット
夏目「90km走ってコンビニがひとつも無いのはどう考えてもおかしい」
水沢「満天の星空、紅葉、木造校舎、南アルプス、すき焼き、登り坂以外は完璧だった。アクセスは非常に悪かったけど(車でも大変だと思う)、久しぶりにチャリ部らしい泊りランができ楽しかった。」
菊池「9人ジャンで4連敗、その確率は59000分の1だとか。ある意味ものすごい幸運だったのかもしれませんね(白目)敗北額は8000円弱にのぼりました。ジャンを抜きにしたランの部分は最高の一言でした(ホテルの対応を除く)股間をかむ虫もいなかったし・・」
廣田「あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!俺は奴の前で峠を登っていたら、いつの間にか降りていて、また違う峠を登らされていた! な…何を言っているのか分からねーと思うが俺も何をされたか分からなかった! 道間違いだとか、脱水症状だとかそんなちゃちなもんじゃ断じてねえ! 長野県の恐ろしさの片鱗を味わったぜ!」
八島「満天の星空、色づく紅葉、辛そうな安田君を見れてとても楽しかったです」
安田 ーチロルラン実習 最終レポート ー
序論
松本支部長発案の基、秋葉街道の地蔵峠しらびそ峠を越えた南信の山深い所にある秘境中の秘境[下栗の里]で紅葉が筆舌に尽くしがたいほどに美しく映える山系を拝みながらビールでも飲もうぜウェーーイというテンションの我々はこの時まだ待ち受ける地獄を知る由も無いのであった。
材料
強い人たち
方法
前日集合。終電入りのぼくはどうせR族でもやってるんだろう今日は寝れないなあなどと思いながらペダルを回し森の中のおおよそ大学とは言えない国立伊那キャンパス国立公園にもうここが秘境じゃねえかという言葉を飲み込み到着。予想に反してみんなスヤスヤと夜露に濡れながら修羅ポンしていたので即就寝。ここで1年大山くんが「やっぱライブ見に行くんでチロルラン離脱しまぁーーすテヘペロ⭐︎」と森の闇へと消えていった。第一離脱者である。一見するとここまで来たのにもったいないと思われる選択だが後に英断であったと我々が気づくのにそう時間はかからなかった。
翌日早朝出発。
伊那→大鹿村「ウェーーーイジャンやろうぜウェーーイ」
大鹿村→地蔵峠麓の道の駅「うぇ、ウェーーー(おいここまでかなり走ったのにまだ獲得標高そんなに稼いでないぞ雨も本降りだぞ大山ぁぁぁ)———イ」
1st attack 地蔵峠
勾配はあるがまあいけるぞ僕には住み込みバイトで買ったGore-Texのrainwearがあるんだ負けないぞ!とペダルを回し続ける僕。
10kmほど走り本格的に山道に入りはじめ太腿に溜まり始める乳酸乱れる呼吸。
「まだ1/4も制覇してないぞ負けるな僕!」
そう意気込む九十九折の坂道の入り口で事件は起きた。
僕の前を走る夏目氏が暑いという理由のもとレインパンツを脱ぎ捨てたのだ。
語弊があるといけないので注釈すると今は真昼間でレインパンツの下はボクサーパンツである。下着である。急峻になる勾配。揺れる尻。重くなるペダル。艶めかしく揺れる尻。乱れる呼吸。漕ぐたびにくっきりと輪郭を帯びるヒップライン。
半分も登頂していない道中で僕は発狂してしまった
うぎゃああああああああああああ!!!!!!!
後輩先輩に荷物持とうか?などの配慮をさせてしまう恥をさらしながらドロドロになり地蔵峠終了。
2nd attack しらびそ峠
覚えていない。寒かったのと知らないおじさんに励まされたのと実家帰りたいなぁと思っていたのと夏目氏がちゃんとズボンを履いたことだけは覚えている。最後の登りは何度も立ち尽くしてもう死ぬんじゃないか死んだら人間はどうなるんだろう生きるとは人生とはなんだろうなぜ彼女ができないのだろうといったことを考察しながらホテル到着。ホテルお風呂閉まってる!さいごはすき焼きを食べて星を見て寝ましたとさお終い。
結論
最上級に辛かった。また行きたい。車で。
考察
写真撮ってませんでした。今度の報告はちゃんと写真つけますすいません。
14安田一平
佐藤「後半はひたすら登りで精神的にとても疲れました。そして山頂について風呂も入れないというエクストリームなランでしたが夜に見た星はとても綺麗でした。もう行かないと思います。」
高松「 景色良かったし、夕飯美味しかったし、寒かったし、つらかったし……良いランでした」
(文 水沢・写真 参加者)