14台湾ラン(前編)

台湾。日本列島の南に存在し、親日の国として知られている島国。かの有名な自転車メーカー、GIANTの本拠地として自転車乗りの間では知られている。大きさは九州を一回り小さくした程度で、一周しても900㎞。つまり自転車でも余裕で回れる大きさである。

 

今回そんな台湾に上陸したのは、この3人。

堀江「膝を壊して長野成田自走DNF」

岡部「帰ったら就活」

小林洋「中国語わかんねぇ」

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かくして幸先不安な2017年14春の教養ランが始まったのであった。

 

2/20 初日

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成田空港泊を決めた我々3人は、海外渡航経験のあるコバヨーの指導の下無事に台湾へ上陸した。

読めない文字と慣れない右側通行に戸惑いながらも、日が暮れ始める頃には桃園空港を脱出した。

走り出して間もなく、後ろからやってきた原付のお兄ちゃんに「頑張ってね」みたいなことを言われ、ビニール袋を差し出された。中には水、ミカン、怪しい薬。その薬にはBCAAと書かれており、恐らく十中八九アミノ酸であることは間違いがなかったのだったが…その薬は岡部に預けることにした。

 

しばらくすると右膝の痛みが酷くなってきた。15㎞/h以上で走れなくなった私は、前日自走をしたことを激しく後悔した。

日も完全に暮れたころ、我々はお店を見つけそこで夕飯を取ることにした。入ってみるとラーメン屋っぽいところであった。メニューの文字は読めず発音もできないため、コレコレコレと身振り手振りで注文した。記念すべき台湾での初めての食事は独特の味がしたが美味かった。

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台北が近づくと原付の数が増える。信号待ちで20~30台程停車していることもざらにあり、その運転技術は京都の原付を凌駕していた。台北に到着するころ、原付のスパルタ路上教習を受講した我々は、原付なしの道を走ることが不安になるくらいに躾けられていた。

 

その後、寄ったお店にいた人の助けもあり、なんとかその日の宿に到着。荷物をそこに預け、夜市に繰り出して一日が終わった。

夜市で小籠包を奢ってくれるコバヨー

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走行距離47

 

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朝からパンクしてしまったコバヨーを公園に残し、岡部と二人で朝食を探しにいった。

このハンバーガーとドリンクのセットで60元。日本円にすると200円ちょっと。安い!

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朝食を済ませた我々は台北観光することに。目指すは総統府。総統府には、日本では見ることがない武装をした憲兵が警備にあたっていた。コバヨーのコバヨーを見せようものなら、恐らくコバヨーのコバヨーは撃ちぬかれていただろう。

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総統府前で集合写真を撮ろうとするコバヨー

 

「それにしても腹が減った」

総統府から迪化街に移動した我々は、とあるお店を探していた。そう、『孤独のグルメ』にでてきたお店である。

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「うん!これこれ!」

台湾の飯は総じてうまい。

 

今日の目標は台北から35㎞ほどの距離にある九份である。台北-九份間の電車賃は200円弱。我々は台北観光で疲弊している。そこから導き出される答えは…

 

最寄りの駅、瑞芳まで輪行した我々は九份まで走ることに。その区間はひたすら登りであった。膝を痛めている私は、小雨の降る中意気消沈と自転車を押した。数キロの距離であったが私は疲労困憊であった。

 

九份と言えば『千と千尋の神隠し』の舞台のような雰囲気のある街である。山の斜面に町があり、車で通るのは困難な小道や階段が多数あり、そこに露店が並んでいる。

宿に荷物を預けると、今日も夜市に繰り出したのであった。

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雨の中の観光

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見どころはやっぱりここ。

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拳の力で肉まんを手に入れた。

 

走行距離12

 

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きょうも今日とて電車輪行。

九分から瑞芳までほとんどペダルを回さずに移動した我々は、華蓮まで可憐に電車輪行を決めた。

 

 

電車の待ち時間に露店巡り。

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恐ろしく速い盛り付け、オレでなきゃ見逃しちゃうね

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屋台巡りにジャンはつきもの。

 

 

日本から遠路はるばる持ってきた自転車はもはや、荷物牽引車としてしか機能していなかった。

しょうがない。僅か10日ばかりの日程で台湾を余すことなく遊び尽くすのには無理があったのだ。それに、天気も優れない。これは正義の輪行であった。

 

電車に揺られて数時間。目を開けると華蓮に着いていた。

 

台北と比べると小さな街である。あまり観光地という雰囲気のしない町並み、駅から海岸までのサイクリングコース、アットホームな宿等々…

慣れない土地での観光に気疲れしていたのだろうか?私は華蓮の落ち着いた雰囲気に魅了された。

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本日の宿。なかなか良い雰囲気である。

 

ともかく、やることは一つ。宿に荷物を置いて屋台巡りである。

台湾に来て3日目。物価の安さも相俟って、ジャンが加速するころであった。この世は拳が者を言うのだ。

 

私はかき氷を奢ってもらった代償として、拝骨飯を奢らされた。まったく、ジャンは野蛮な文化である。

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敗北の味がした

 

一通り街を回った我々は宿に戻った。宿に戻ると、他の宿泊客がロビーの机でテーブルゲームをやっていた。

我々もそこに混じったのであったが…

英語がわからん…結局、最後まで完全にルールを把握することなく終わってしまった。

これも旅である。

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いや~今日も走ったなぁ。

 

走行距離8㎞

 

3日間の走行距離67

 

感想

初めての飛行機、初めての海外、いろいろと初めて続きのランだった。毎日のように輪行して、毎日のように宿を取り、毎日のように露店でジャンをする。

慣れない環境だったけど、コバヨーと岡部のお陰で大きな問題もなく無事、台湾一周することができた。

二人ともありがとう。

これぞ、”教養”ラン

 

次、機会があるならば自転車で走りたい。

 

文:堀江 写真:堀江 小林yo

 

 

 

 

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